半導体シリコンウエハーの専門商社、株式会社トリニティーのシリコンウエハーについてご紹介いたします。

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コラム

半導体不足が及ぼすスマホメーカーへの影響とは?

世界的に大きな問題となっている半導体不足ですが、私たちの暮らしにはどのような影響があるのでしょうか。
既に影響が出ているのは、マイカーの納車時期。
新車を購入しても、直ぐには納車とならず半年から1年先になる車種もあるほどです。
では、いまや1人に1台と言われている、スマートフォンには影響はないのでしょうか。

世界的に半導体不足が続いている背景

現在の世界的な半導体不足は、さまざまな要因が絡んで起きています。
新型コロナウイルス感染対策によるロックダウンや人流抑制によって、半導体を使用する製品の需要が大幅にアップ。
その一方で、製品を生産する工場の多くが感染対策によって休業を余儀なくされました。
さらには、アメリカや台湾の半導体メーカーの工場に起きたトラブルなど、偶発的な要素も加わって供給が追いつかない状況となっています。

■新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルス感染症という、100年に一度起きるか否かのパンデミックが世界中で発生しました。
海外ではロックダウンとなり外出が禁止されて、日本でも人流抑制としてテレワークが推奨されています。
これにより、テレワークで利用するパソコンやタブレットが多く購入され、ゲーム機など家庭で遊べる機器も需要が一気に伸びる結果となりました。
その一方で、半導体を生産する工場が感染対策により休業せざるを得ない状況になりました。

■台湾の水不足により生産が落ち込む

半導体製品の需要が伸びている時に、台湾にある世界最大の半導体製造拠点である「台湾積体電路製造(TSMC)」が、台湾の水不足によって生産量が落ち込みました。
半導体の製造には大量の水が必要です。
2021年4月に、台湾ではここ半世紀で最も深刻な水不足に見舞われたことにより、従来の生産量を確保できなくなりました。

■アメリカテキサス州の大寒波で工場が閉鎖

アメリカテキサス州には、半導体大手メーカーのサムスンの工場があります。
2021年2月にテキサス州を襲った大寒波で、オースティンにあるS2工場が閉鎖となり半導体の製造がストップ。
業界に大きなダメージを与える結果となっています。

■高品質なシリコンウエハーの不足

半導体の製造に欠かせない材料として高品質のシリコンウエハーがあり、このシリコンウエハーの世界シェアNo1、No2を日本企業が独占しています。
半導体不足を解消するために、各メーカーは増産体制に入っていますが、製造に必要なシリコンウエハーが不足しているので、思うように増産することができない状況です。
高品質のシリコンウエハーを製造できるのは、日本の2企業に絞られるので不足分全部をまかなう製造ができないことが、シリコンウエハーの不足につながっています。

半導体不足によりスマホメーカー大打撃!

iPhone13や13Proも発売されて、半導体不足の影響は全く関係無いように見えるスマホ業界ですが、実は今後の出荷台数に影響を与えるようです。
通常スマホメーカーは、主要部品を約半年分ストックしています。
そのため、部品不足の影響がすぐに出ることはないのですが、最近ではスマホメーカーの部品在庫も減少してきています。
スマホメーカーには、どのような影響があるのか詳しく見てみましょう。

■出荷台数が減少傾向に陥っている

先にお伝えした通り、スマホメーカーの部品在庫が減少して生産への影響が出始めています。
韓国のサムスン電子では、部品調達に苦しんでおりスマホ出荷台数が前年比20%減少する見込みとなっています。
アメリカのGoogleについても、2021年8月に発売された「Pixel 5a 5G」は、アメリカと日本の2ヵ国のみの発売に留まりました。

■業界関係者が語る、スマホ業界8割が部品調達の問題を抱える事態

スマホ業界関係者によると、iPhone13proなどの高価格帯のスマホを手掛けている、アメリカのアップル社は強固なサプライチェーンを構築しているので、部品調達には苦戦していないようです。
また、韓国のサムスンも出荷台数の減少が予想されるものの、高価格帯のスマホには影響はないと言われています。
ただし、通常価格帯や低価格帯のスマホを供給しているメーカーでは、8割超が部品調達の問題を抱えていると伝えています。

半導体不足の悪影響はスマホメーカー以外にも

半導体不足の悪影響は、スマホメーカーだけではありません。
スマホメーカーよりも深刻なダメージを受けているのが、自動車業界です。
今の自動車は、電子部品なしには走ることさえできません。
さらに、スマートアシストと呼ばれる「衝突回避支援システム」は、新車にはなくてはならない機能です。
このシステムを実現させているのが、正に半導体です。
半導体が手に入らない状況では、車を完成させることができません。

■帝国データバンクの調査では影響は115社にもおよぶ

帝国データバンクが「特別企画:上場企業「半導体不足」の影響・対応調査結果」を2021年8月30日付けで公表しています。
その調査結果を見ると、上場企業115社が「マイナスの影響を受けた」と回答。
その内、半導体不足による生産調整などを強いられた、直接的影響を受けた企業は22社。
これらの企業の生産調整によって、間接的に影響を受けた企業は59社となっています。

■業種別に見ると製造業が約75%を占める

マイナスの影響を受けた115社の企業の内、86社の約75%が製造業です。
主に自動車部品・自動車製造の企業が多く、それに関連して金属プレス製品、工業用プラスティック製品を製造する企業への影響が大きいようです。
もっと細かく見ていくと、自動車産業に関わる業種全体が影響を受ける結果となり、自動車のコーティングを行う企業や、PV製シートを製造する企業も減産による影響を受けています。

■その他、半導体を利用する業界が影響を受けている

自動車産業に関わる企業がダメージを受けている中で、スマホ向けの部品を製造するメーカーや、家電製品を製造するメーカー、ゲーム機やエレクトロニクス産業、楽器といった業界にも影響が及んでいます。

まとめ

今回はスマホメーカーに焦点をあて、半導体不足が及ぼす影響について解説しました。
現代では半導体なしに現状の生活を維持していくのは困難であるといえます。
そして半導体不足は、早期の収束は難しいと予測されています。
その現実の中で、いかに不便さに折り合いをつけて生活をしていくか、その工夫が試されているのかも知れません。
いずれにしても半導体不足は今後さらに深刻な問題となっていくでしょう。

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